現在結構なボリュームになっている「動物の愛護及び管理に関する法律」ですが、はじめて成立された時は 13条だけでした。名前も「動物の愛護」ではなく「動物の保護」。
今後、動物の保護及び管理に関する法律(以後「この法律」)について書いてゆきますが、今回は日本の法律全てに関わる基本的なことを説明します。
この法律に限らず、現在運用されている法律には、法律番号、成立日、公布日、施行日があります。それらについて説明します。
この法律のそれらは、以下となります。
(昭和48年法律第105号)
昭和48年(1973年) 9月26日成立
昭和48年(1973年)10月1日公布
昭和49年(1974年) 4月1日施行
以下、上記について説明します。
番号 (昭和48年法律第105号)
日本の法律全てに付けられている通し番号。
法律番号と呼ぶらしいです。
なんとなくお分かりだと思いますが、この法律の例だと「昭和48年に成立した105番目の法律」を意味します。
この作成された年を含む番号は、法律が改正されても法律名の後にカッコ書きで書かれることが常なのでここでも同様にしました。
参考:法律番号(参議院法制局)
成立 昭和48年(1973年)9月26日成立
当時は行政文書に西暦を入れることはありませんでしたが、2020年台に書いていますので入れておきます。
「成立」とは、衆議院及び参議院の両院(簡単に言えば「国会」ですね)で可決されて「法案(法律案)」から「法律」になります。
ここまでに至るのが大変。
日本において法律を作る方法として、国会議員が作る議員立法と内閣が作る内閣立法があり、この法律は議員立法として有名な法律です。
まず有志の議員が法案(法律案)を作り、決められた手続きを経て、委員会の審議にかけられますが、ここまでだけでも(各方面への調整なども含め)並大抵のことではありません。膨大な作業が必要になります。特に(改正法ではなく)新たに法律を作る時は。
委員会を通過するのも大変ですが、次は両院の本会議(俗にいうところの国会)に法案提出です。提出しても審議すら行われないことがあります。
この法律は戦直後を含め過去に何度も成立に向けて尽力した人たちがいるようですが、昭和48年(1973年)やっと成立するに至りました。
毎年100くらいの法律が出来ているみたいです。その中には「○○(法律の名前)の一部を改正する法律」や「○○に関する臨時措置法」が多く、新たにできる法律は少ないです。
そんな中、ペットに関わる法律は、平成に入って以降幾つか出来ています。おもいつくものを幾つか挙げてみます。
獣医療法(平成四年法律第四十六号)。これは獣医師法(昭和二十四年法律第百八十六号)とは別の法律です。
愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(平成二十年法律第八十三号)。ペットフードの法律。
近年成立したものとして愛玩動物看護師法(令和元年法律第五十号)があります。公布日等はこちらにページあります。
参考:
・ 議員立法とは?議員立法が少ない理由や議員立法で成立した法律を紹介
・法律ができるまで:国会のしくみと法律ができるまで!:キッズページ:参議院
興味本位で古くて有名な民法や刑法の法律番号を調べてみました。
民法は「明治二十九年法律第八十九号」、刑法は「明治四十年法律第四十五号」でした。
公布 同年10月1日公布
法律を作ったら、それを国民に「作ったよ~」と「公布」します。つまりお知らせします。
国としては「法律が出来たお知らせです。少し期間を設けてその後、これを有効にするから従ってね」とするわけです。
成立のところで書きましたが毎年100くらいの(改正や措置法含め)法律が出来ています。それら全てを知り理解することは不可能だと思います。
各自自分に関係のあるものを知る必要がありますが、なかなか出来ないのが現実です。
施行 昭和49年(1974年)4月1日施行
公布して国民に「こんな法律作りました、理解してね~」とお知らせした法律を「さぁ、今日からこの法律に従ってね」となるのが施行の日。
経理関係の法律(税法)の話になりますが、 公布してから施行までの期間があっても混乱がみられる例としてインボイス制度や電子帳簿保存法があります。
インボイス制度は今年(令和5年)10月1日から、電子保存義務化は来年1月から。どちらも公布から数年以上の期間がありましたが理解が進んでいません。
成立・公布し施行されても、その法律がしっかり機能するようになるには、法律成立まで尽力してきた方々が更なる尽力が必要になることが多いようです。
世の中になかったルールを作ったのですから広く知らせることも簡単ではないし「今までは許されてたのに何故?」と不快に感じる人が出てきても不思議はありません。
「法律に書かれていることをやるには何をどうすればいいの?」と戸惑う人もいます。
法律は成立がゴールではないと、この法律(動物の愛護及び管理に関する法律)の改正を見続けて感じております。
もし内容に間違いがあることをお気づきの場合、疑問点がおありの場合等、以下の「こちらから」ご連絡いただければ幸いです。
とりあえず作成。
使い勝手の確認も含めて。
#法律 #1973