尚仁沢湧水をご存知だろうか。最近は豆腐で有名になりましたが、美味しい湧き水が出ることで近年有名になった場所だ。我が家は有名になる前に何度か水を汲ませていただいたが、うーにーがあまり好まなかったので、ご無沙汰していた。
我が家が水を汲んでいた頃は、空き地のような場所に無造作に突き出た蛇口があっただけだった。久しぶりに来てみると、以前とは全く違った風景がそこにあった。空き地のような場所は、正に空き地になっていた。別の場所に名水パークという公園施設が出来、道の駅のような建物まである。以前の風景はもうないのが残念だった。


突き出した蛇口から水を汲んでいた頃から気になっていたお店がある。それがこのモナベールさんだ。「なんでこんな所にこんなお城のような建物が？、何考えているんだろう。」と思っていた。そう思いながらも今回利用したのは、こちら方面で犬連れＯＫの飲食店が少ないから、つまり「他にないから」というのが本音だった。

このお店は完全予約制。「お高くとまってんな」と思いながら、土曜日のランチに利用。
雨になってしまい、うーにーの散歩がお預けになり、その分早くに着いてしまった。予約制なので、早くに入店してもいいものかと、山道に入ってから携帯電話で連絡をとろうとしたが圏外。30分以上前に着いてしまい、お店に着いてから確認すると「どうぞ、どうぞ」と快く受け入れてくれた。

この時点で二つのビックリ。
このお店はクネクネ道を通らねば辿り着けない山の中にある。途中、車が行き違えないような峠道のような所もある。そんな山の中にこんな綺麗なお庭、（小さいながら）お城のような建物、そのどちらもメンテナンスをしてある。放置していない。その姿に第一のビックリ。（お城のようなその店内に犬連れＯＫなのだ！）
そして出てきたマスターの姿にビックリ。山の中のこのお店には、他にはお客さんの姿は見当たらない。そのような状況でマスターはしっかりとおもてなし用の服装なのだ。確かにお庭、建物には合うが、ほんの一組のお客さんのためにここまでするのか？、とビックリ。

テーブルの準備が出来るまで、マスターとお話しをしていて、第三のビックリ。
我が家が日光方面で利用した宿、レジャー施設、飲食店のご主人達と知り合いなのだ。特に我が家が利用した宿のご主人とはとても仲がいいらしい。そして「こちらのワンちゃん見ましたよ」とうーにーを既に目撃されていたのだ。

とにかくビックリ続きで、食事前から「参りました」状態。食事中もお話しを続けましたが、やはりこちらは「趣味のお店」だそうです。完全予約制の理由は（ＨＰ上には料理の関係のようなことが書いてありますが、それも含めて）しっかりおもてなししたいという気持ちからのようです。
マスターは、忙しい中、時間を作り、世界を旅行するそうなのですが、ヨーロッパに行くと、山の中にいきなり立派なレストランがあるのが当たり前だそうで、それをイメージしてこちらを造ったとのこと。

料理は、前菜＞スープ＞メイン＞デザート。全体としていいが、女房はステーキに大喜びだった。レアなのである。中は「完全に生です」状態。女房はこれが大好きなのですが、出してくれるお店は少ない。（犬連れＯＫの店なら尚更かも。）その他のものも食材を選び、作り方を考えられたものだ。
これで、2,800円。我が家は追加で赤ワインを頼んだ。ワインはなかなかお手頃で食事に合うものが用意されていた。ワイン（三杯）を含めて、二人で、7,400円となった。我が家としては、充分に納得料金だった。
ＨＰを見ると、バンガロー、コテージ、キャンプ場なども併設されている。どうやら犬もＯＫらしい。ドッグ・ランもあるようだ。それらを利用して、こちらで食事をするというのもいいかも。


「昼食にそんなに払えるか！」という人には向かないお店。「日本にもそんなことを考えて、お店をつく人がいるとは！」という人は是非とも行って欲しい。
料金も料金だし、場所も場所なので、ＨＰをよく見て、よく考えてから利用することをお勧めします。「気に入らなかったから隣の店に行く！」と言ったところで、他に飲食店はほとんど見当たりません。唯一、冒頭に書いた道の駅のような施設（尚仁沢ハートランドというらしい）には飲食施設はあるらしいです。