Mさん と Jちゃん  26

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・とりあえず、終わり

Mさんには宿題として「今までのメールのやり取りを2回読んで、感想文を送るように、」とお願いしましたが、未だに宿題の提出はありません。この「MさんとJちゃん」の量を知っていれば、2回というのがどんなに大変なことか、私も承知しています。しかし、次のステップを必要とするなら、今までの「苦労の確認」と「犬について勉強したことの確認」は必要です。
犬との関係が安定すると、それまでの苦労や勉強し身に付けた知識を忘れがちです。そして、次のステップに進む時、「こんなに苦労するなら、(今までのことも含めて)や〜めた。」「え、なんてこんな方法をとるの?」などとなる場合があります。

次のステップが必要か?、次のステップに進む気構えがあるか?、そして次のステップに進むなら、今までの総復習をして欲しいというという気持ちで宿題を出しました。

ちなみに、私は次のステップに進む必要はないと思っています。もし、進むのであれば、メールではなく、直接教えていただける先生にお願いした方が、勉強になると思っています。

そんな訳で、この連載は正式に「終わり」にしようと思っています。そう決断させたのは、「生」MさんとJちゃんを見たからです。それは、、



・「生」MさんとJちゃん

Mさん一家にお会いした時のことは、旅行記に書いているので、詳しくはそちらを見てください。
私が終わりにしようと思ったのは、Mさんに迷いが見られなかったからです。私がしたいことは、犬を意のままに操れる人を作ることではなく、犬を迎えたことで家庭内に迷いや悩みが発生することを防ぐことです。

Jちゃんは(本などに書いてある)模範犬とは言いきれませんが、充分にいい子、つまり、人前に出して恥ずかしくない程度の「しつけ」は出来ていました。私はそれでいいと思います。

Mさんのホームページにも、この旅行のことが書かれています。そこには、こんな一節があります。

今日の教訓

なーんだ、うちのJはいい子だ。
ちゃんと(人間が)手順さえ踏めば
いつでもどこでも一緒にすごせるじゃないか。

ということでこの日を境に
Jはお車で御留守番ではなく
なるべく一緒にいつでもどこでもいようね。
となりました。。


コマンドがしっかり実行できる犬よりも、家族と一緒に行動できる、つまりしつけが出来ている犬になって欲しいと願っています。Jちゃんは、そういう子になってくれました。

Mさんの次のステップは、M家流の犬との行動を模索し、実践することです。
それは、Jちゃんのためでもあり、本当はMさんのためだと思います。人と犬との関係とは、そういうものだと考えています。




   最後に

    Mさんは、戸惑っているかもしれません。
    雑誌などに書かれている「模範犬」とはちょっと違う
    Jちゃんと暮らしながら「本当にこれでいいの?」と。

    私が教えることは、教科書通りの犬をつくることでも
    よく命令を聞く犬をつくることでもありません。
    ましてや、資格を取ることでもありません。

    一緒に暮らして(「幸せにしてくれる」と書くと大袈裟
    なので)邪魔にならない、人間社会のルールを理解し
    身につけている犬にすることです。

    つまり、家庭犬として最低限のことです。
    今風に書けば「家族として」と呼ぶに相応しい程度の
    コミュニケーションをとれる程度のしつけです。


01.10.1



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