〜 大人のための大人の音楽 〜
オトオト・ミュージック  2009年11月22日放送 

 ■早川義夫■ ひまわりの花(1995)      @ SRC(oto)

早川義夫は、1968年 Jacks というバンドでデビューし、その後ソロアルバムを出しますが、その活動期間は2〜3年だけでした。その後、本屋さんになった彼は、20年以上の歳月の後、音楽活動を再開します。

「さるびあの花」は多くのアーティストがカバーして有名ですが、他の曲も多くのオーティストに愛されています。
分かり易い言葉で綴る哲学的ともいえる歌詞に、単純でありながら誰とも似ていない、しかし誰でも歌える曲。彼のみが作ることが出来る曲作りです。


今回は、活動再開後二枚目になるアルバム「ひまわりの花」を取り上げます。

時は 1995年。日本の音楽界は、ミリオンヒットが多数出た時期です。このアルバムのプロデューサーは、数々のミリオンヒットに携わった佐久間正英。二人は今でも一緒に活動する機会が多い。


■ 曲 目 ■
他の人の曲もまるで自分が作った曲のように歌う人ですが、今回は彼の作詞・作曲のもので構成しました。(「サルビアの花」の作詞のみ「相沢靖子」)

1.いい娘だね
1968年、Jacksのデビューシングル、「からっぽの世界」のBの曲。
同じ男性が20年以上の時を経て歌っても、何も不自然さがないのです。
他人を想う信念のようなもに迫力を感じます。

2.サルビアの花
この曲だけは、1969年録音のオリジナルバージョンでお届けします。(アルバム「かっこいいことはなんてかっこ惡いんだろう」より)
多くの方は他のアーティストがカバーしたものをお聴きだと思いますが、アーティストたちが心惹かれたのは、この曲だと思います。
「サルビアの花」が何を示すものなのか調べてみると、見方も変わるかも知れません(笑)

3.ラヴ・ゼネレーション
私は、何故このタイトルなのか分かりません。
詞の内容も、「あれれ?、何がいいたいの?」と思ったこともありますが、「そうそう、そういうことあるよ。」とも思います。「わざわざ曲にしなくても」と思うこともあれば、「曲にしてくれてありがとう」と思うこともあります。

4.ラ・マン(愛人)ように
今までの三曲は、30年以上前に作曲された曲ですが、こちらは復活後のものです。
「ラ・マン(愛人)」という映画・小説が流行ったのを覚えているでしょうか。私はとても苦労してこの小説を読んだ記憶があります。
今までの3曲とは違い、分かり易い歌詞。「大人の恋」、ってこんなのかな、と想う一曲です。

5.堕天使ロック
コードは3つだけの単純な曲ですが、飽きない曲です。歌詞は、哲学的のような、危ないような。簡単な言葉を並べて難しいことがかかれています。
まず伝えたいことがあり、言葉があり、その力をさらに強めるために音楽がある。間奏のギターソロにもそれを強く感じます。

6.ひまわりの花
アルバムタイトルになった曲。
歌詞カードを見ると「たったこれだけの歌詞?」と。曲を聴くとその映像的な音作りに驚かされます。これはプロデューサーの手腕によるところも大きいことでしょう。
この曲と同じく静かに淡々とした曲として、「屋上」「花火」などありますが、今回は時間の関係でお届け出来なかったことが残念です。


■早川義夫を理解する上で■
「ひまわりの花」の歌詞カードには、歌詞の周りにちょっとしたコメントのようなものが添えられています。それを幾つか引用させていただきます。

−−−−−−−−−−−−−−−
考え方や生き方を押しつけてはいけない。そんなにステキならば嫉妬させてほしい。
−−−−−−−−−−−−−−−
音を記録するのではない。空気を記録するのだ。加工しなくていい。何かをいじると、必ず何かがゆがむ。
−−−−−−−−−−−−−−−
やはり、歌が伝わるとか伝わらないということではなく、歌う人間が伝わってこなければ駄目なのです。
(中略)
歌は歌のないところから聞こえてくる。音楽がめざすものは音楽ではない。
−−−−−−−−−−−−−−−

早川義夫のHP
所属事務所は、世田谷区内にあります。


※このページの内容は、放送日現在のものです